交換レンズには大きく分けて焦点距離を変えることができる「ズームレンズ」と焦点距離を変えることができない「単焦点レンズ」があります。
被写体を拡大して撮影したい場合、ズームレンズはカメラを近づけることなくレンズの焦点距離を変えて拡大できますが、単焦点レンズはカメラを近づけなければ拡大することができません。
一見ズームレンズのほうが便利そうに見えます、僕はカメラ初心者の人ほど単焦点レンズをオススメしています。
なぜ一眼レフ初心者には、ズームレンズではなく単焦点レンズをオススメなのか。
その理由を3つ、この記事で紹介します。
目次
理由その1:明るいレンズが安く手に入る
カメラのレンズは明るくボケやすいレンズほど高価といわれています。
比較的安いエントリークラスのレンズは絞り値の開放がF3.5。プロも使用するようなレンズになるとF2.8以下、大口径のレンズになるとF1.4まで開放できたりします。
このFの値が小さいほど明るくボケやすいレンズで、基本的にはこのFの値が小さいほど高価になります(例外もある)。
ズームレンズでF2.8まで開放できるものとなるとかなり高価になり、SONYでは20万円を超えてしまいます。それが単焦点になるとズーム機能が無いため安価になり、例えば同じSONYの35mmの単焦点でF2.8のレンズ(フルサイズ対応)だと10万円以下で購入することができます。
単焦点はズーム機能は無いため焦点距離が限られますが、明るくボケやすいレンズをズームレンズよりも安価で購入することができます。
F2.8のズームレンズ
F2.8の単焦点レンズ
理由その2:ボケ・画角の感覚を身に付けることができる
これは僕がそうだっただけで、他の人も同じか分かりませんが、ズームレンズのズーム機能を使っていると焦点距離のことを意識しづらいと思います。なので、ズーム機能を多用してしまうと今どの焦点距離か分からないため「〇〇mm=どのくらいの画角」といった感覚を身に着けづらい感じがします。絞り値もエントリークラスのズームレンズは焦点距離によってF値の最小値は変わるので感覚がつかみづらいです。
ちなみにハイクラスのズームレンズは焦点距離を変えようと同じF値の最小値を維持することができたりする。これを「通しでF〇〇」と言ったりもする。
ズームレンズは便利な反面、焦点距離や絞り値の感覚を身につけるのに少し時間がかかるような気がします。
理由その3:足を動かす癖を身に付けることができる
一眼レフ初心者でズームレンズを使っている人で、体を動かさず手元だけを動かして撮っているのをよく見かけます。手元でズームできるため足を動かさず、前後の動きだけで完結させてしまっています。
最近よく思うのは、ビックリするような写真を撮る人ほど手元だけを動かして撮るのではなく、体全体を動かしながら撮っている。もっとすごい人は、その瞬間を撮るためにカメラを木に吊るしたりもしています。
カメラがブレない姿勢で撮ることも大切ですが、既成概念にとらわれず、自分が撮りたい構図・視点を身につけることはもっと重要です。そして、その視点を身につけるためには単焦点レンズがオススメです。
単焦点レンズの場合、構図や画角を変えたいときは実際に足や体を動かして撮らなければいけません。人間の心理的に身体を動かして撮るってちょっと意識が必要だと思います。
例えば、朝の起床。朝起きてベッドから起き上がる瞬間が一番辛いと思います。
でも、起き上がりさえすれば、朝ごはんを食べたり、歯を磨いたりテレビをつけたり、顔を洗ったりすることは流れでできますよね。それと同じで、単焦点で一度足や体を動かせば、いろいろなアングル、画角、構図を試したくなるものです。
初心者の人がズームレンズを使っているときの心理は、ベッドの中でテレビのリモコンを触るような、少しだらけた気分と同じだと思います。
ちょっと昭和の根性論に近いかもしれませんが、単焦点を使い足や体を貪欲に動かして撮ることがスキルアップの近道だと思います。
まとめ
一眼レフ初心者が単焦点を使うべき理由を3つ紹介しました。最初の理由「明るいレンズが安く手に入る」は事実に近いですが、残りの2つは僕の持論です。ただ、カメラ好きな人にこのネタを話したら結構共感してもらえることが多いので今回記事にしてみました。
一眼レフを始めたばかりで、自分が撮る写真がイマイチと悩んでいる人は、ぜひ単焦点のレンズを使ってみてはいかがでしょうか。
ではでは。