GR3を手にしてから1週間。なぜか無性にモノクロで撮りたくなる。
なぜモノクロで撮りたくなったのか、自問自答していくと意外と深い理由にたどり着いた。
まさかそんな理由にたどり着くとは思っていなかったけれど、僕がGR3を購入した本当の理由はそれなのかもしれない。
僕は自分の職業を簡単に説明する場合「Webデザイナー」と言う。
このWebデザイナーという仕事はWebサイトの見た目を作る職業。仕事のだいたいがクライアントから「こういう雰囲気のWebサイトにしたい」という要望を受け、その要望に合わせてデザインをする。クライアントがいてこその職業で、クライアント、そしてその先にいるユーザーのことを考えて仕事をしている。
要するに僕自身のためではなく、クライアントに喜んでもらうために仕事をしているのだ。そして、その対価として報酬がある。
そのデザイナーという職業病のせいか「この世にあるモノはなにか伝えるために存在する」という変な哲学が自分の中にあり、写真も同じように「なにか伝えるために撮らなければ」と考えていた。
この考えは正しいようで実は違うのではないかと考えるようになったのはここ最近。
GR3を手にしてから。
GR3で写真を撮るようになり、特に意味はないけれど撮っていて楽しいもの、なんとなく自分の中で気持ちが良いものが分かってきた。今までになかった感覚を今、味わっている。
でもその感覚はずいぶん昔に味わった感覚と似ていた。幼稚園のころ砂場でトンネルを作っていたような感覚。無邪気に遊んだころの感覚。
たぶん僕は今、写真を純粋に楽しんでいる。
誰の目も気にせず、誰かになにかを伝えたいわけでもなく、意味のないものをただただ撮りながら楽しんでいる。
意味がなく、ただ楽しく写真を撮るということ。そういう写真があっても良いんじゃないかなと気づかせてくれたGR3。
GR3で撮った意味のない写真も今、写真の楽しみかたを僕に教えてくれた。
ではでは。