結論から言うとZV-1はRX100M7とコンセプトが全く違う。
車に例えると、救急車とパトカーぐらい違う。
SONYから最近発売されたVLOGCAM「ZV-1」を購入しようとするとき、RX100M7と悩む人が多いのではないだろうか。
この記事を読んでいただけているということは、少なからずあなたもZV-1とRX100M7とで悩んでいるのだろう。
ということで今回、ZV-1とRX100M7の違いを調べてみた。
あくまで私もまだ購入検討段階なので、実際にZV-1を馬車馬のように働かせたことが無い。そのためこの記事は、実店舗での実際に手に持ってみた感覚や、ネット上で得られるスペック、レビューなどの情報を総合的に比較したものである。
なので、もし購入する場合はZV-1とRX100M7を実際に手に取って自分の目で判断してほしい。この記事が、あなたがZV-1を購入する際の判断材料にしてもらえれば嬉しい。
もしくは、この記事を見て、堂々と家電量販店に乗り込み、店員さんとZV-1について熱く語り合うための事前知識として読んでもらっても良いだろう。
この記事を読むとー
あなたがZV-1を購入すべきかどうかの判断材料が備わります
目次
そもそもVLOGCAMとは
VLOGCAMを初めて耳にした方も少なくないだろう。VLOGCAMは「VLOG」と「CAMERA」を組み合わせたSONYが作った造語で間違いないだろう。
そしてその「VLOG」。VLOGはこれもまた「Video」と「Blog」もしくは「Log」を組み合わせた造語だ。これはSONYだけでなく、世界的な名詞になっている。
VLOGCAMをリリースした背景
もともとSONYは今回比較するRX100M7など、動画も撮影できるコンデジをリリースしてきた。VLOG用のカメラを業界でも一歩リードして展開してきた印象。
その他にもコンデジだけでなくミラーレス一眼(α6400やα6600)もVLOG向けの機能を備えたものがある。
VLOGが流行った背景としては、考えるまでもない「YouTube」だ。
さらに今回、新型コロナウイルスの自粛生活がYouTubeのアクセス数に拍車をかけ、Youtubeのセッション数は2020年3月に爆上がりしている。2月は6億5000セッション、3月は7億5000セッションと、1億セッションも増加。皮肉なことに新型コロナウイルスの流行に伴いVLOGも流行りつつある。
また今後の動画広告市場が伸びることは確実視されているので、その恩恵をあやかりたい人は、今にでもVLOGを始めるべきだ。
そんななか、2020年5月27日にSONYから発売されたのがVLOGCAM「ZV-1」だ。
おそらく新型コロナウイルスの流行前から準備していた企画だろうが、SONYは超絶ベストなタイミングでリリースできたと言えるだろう。
ZV-1とRX100M7の外見比較
ZV-1とRX100M7の正面比較
正面の見た目はすごく似ている。街で持っている人を見かけてもZV-1かRX100M7見分けることが難しい。大きさは少々ZV-1の方が大きくなっている。
RX100M7ではセルフタイマー時に光っていたレンズ横の小さいオレンジ色に光るライトがあるが、録画時には点灯しないため正面から見た際に、録画しているかどうか分からなかった。しかし、ZV-1は録画時に点灯させることができるため撮影の失敗が少なくなる。
ZV-1とRX100M7の上部比較
上部のボタン配置や機能は大きく異なる。ZV-1はモードダイアルが省かれ「MODE」ボタンに集約され、画面で選ぶ形。モードダイヤルがなくなった分、録画ボタンがシャッターボタンなみに大きい。動画撮影に特化した証だ。
中央には大きなマイクがあり、風切音を防止するウインドシールドも付属している。右にはホットシューもあるため、外部マイクや照明などを手軽につけることができる。
ZV-1とRX100M7の右側面比較
正面向かって右側面。ZV-1はチルト式ではなくバリアングル式を採用しているため右側面はあっさり。
ZV-1とRX100M7の左側面比較
正面向かって左側面。入出力端子はどちらも上から「マイク端子」「マイクロUSB端子」「HDMIマイクロ端子」となっている。いいかげんUSB Type-Cにしてもらいたい。
また、ZV-1の方が動画撮影の「動きながら撮る」という動作に合わせてグリップがついている。ただ、グリップの溝がそこまで大きくないので意味がある人とない人がいるだろう。
ZV-1とRX100M7の下部比較
ZV-1とRX100M7の両方に言えることだけど、三脚のネジ穴の位置が気になります。普通レンズの中心にネジ穴があることが多いですが、ZV-1とRX100M7はレンズの中心から若干左にずれているんですよね。
慣れだとは思いますが、グリップをセットしてみて中心じゃないことに持った瞬間違和感を感じました。
ZV-1とRX100M7の背面比較
RX100M7では録画ボタンが背面にありましたが、ZV-1では上部にあります。またZV-1ではファインダーはありません。動画に特化したVLOGCAMということで省いたのでしょう。個人的にはRX100M7でもファインダーは使用しません。
ZV-1とRX100M7の自撮り時比較
見ての通り、ZV-1はバリアングル式、RX100M7はチルト式です。好みによりますが、個人的にはチルト式の方が好きです。目線の動きが横よりも縦の方が少ない気がします。これはあくまで個人的な感覚です。
先述しましたが、ZV-1の赤く光っている部分が録画のランプです。うっかり「録画されてなかった!!」なんてことを避けることができます。
ZV-1とRX100M7のスペック比較
ZV-1 | RX100M7 | |
---|---|---|
センサーサイズ | 1型 | 1型 |
画素数 | 2100万画素 | 2100万画素 |
有効画素数 | 2010万画素 | 2010万画素 |
レンズ構成 | 9群10枚 | 12群15枚 |
焦点距離 | 9.4mm-25.7mm | 9.0mm-72mm |
焦点距離(35mm換算) | 24mm-70mm | 24mm-200mm |
F値 | 1.8-2.8 | 2.8-4.5 |
絞羽 | 7枚 | 7枚 |
最短撮影距離 | 5cm | 8cm |
NDフィルター | 3段分 | – |
ISO感度 | 125-12800 | 100-12800 |
光学ズーム | 2.7倍 | 8倍 |
ファインダー | なし | あり |
被写体追尾 | ○ | – |
手振れ補正機能 | ○ | ○ |
液晶可動域 | オープン角:約176度、チルト角:約270度 | 上に約180度、下に約90度 |
バッテリー | DC3.6V(ACアダプターなし) | DC3.6V |
バッテリー使用時間 | 【静止画】 液晶モニタ使用時:約260枚 / 約130分 液晶モニタ使用時(モニター自動オフ 2秒設定時):約410枚 / 約205分 【実動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約45分 【連続動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約75分 | 【静止画】 液晶モニタ使用時:約260枚 / 約130分 液晶モニタ使用時(モニター自動オフ 2秒設定時):約310枚 / 約155分 ファインダー使用時:約240枚 / 約120分 【実動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約40分 ファインダー使用時:約40分 【連続動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約70分 ファインダー使用時:約70分 |
サイズ | 約105.5×60.0x43.5 mm | 約101.6×58.1×42.8 mm |
質量 | 約267g(本体のみ) | 約275g(本体のみ) |
ソニーストア価格 | 90,819 円+税 | 145,000 円+税 |
現在の価格 | Amazon 楽天 カメラのキタムラ | Amazon 楽天 カメラのキタムラ |
ZV-1とRX100M7のスペックを細かく見ていく
ZV-1とRX100M7の違い
ZV-1 | RX100M7 | |
---|---|---|
レンズ構成 | 9群10枚 | 12群15枚 |
焦点距離 | 9.4mm-25.7mm | 9.0mm-72mm |
焦点距離(35mm換算) | 24mm-70mm | 24mm-200mm |
F値 | 1.8-2.8 | 2.8-4.5 |
最短撮影距離 | 5cm | 8cm |
NDフィルター | 3段分 | – |
ISO感度 | 125-12800 | 100-12800 |
光学ズーム | 2.7倍 | 8倍 |
ファインダー | なし | あり |
被写体追尾 | ○ | – |
手振れ補正機能 | ○ | ○ |
液晶可動域 | オープン角:約176度、チルト角:約270度 | 上に約180度、下に約90度 |
バッテリー | DC3.6V(ACアダプターなし) | DC3.6V |
バッテリー使用時間 | 【静止画】 液晶モニタ使用時:約260枚 / 約130分 液晶モニタ使用時(モニター自動オフ 2秒設定時):約410枚 / 約205分 【実動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約45分 【連続動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約75分 | 【静止画】 液晶モニタ使用時:約260枚 / 約130分 液晶モニタ使用時(モニター自動オフ 2秒設定時):約310枚 / 約155分 ファインダー使用時:約240枚 / 約120分 【実動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約40分 ファインダー使用時:約40分 【連続動画撮影時】 液晶モニタ使用時:約70分 ファインダー使用時:約70分 |
サイズ | 約105.5×60.0x43.5 mm | 約101.6×58.1×42.8 mm |
質量 | 約267g(本体のみ) | 約275g(本体のみ) |
ソニーストア価格 | 90,819 円+税 | 145,000 円+税 |
まずは仕様で違う部分をピックアップしていきました。詳しく見ていきます。
映像の綺麗さならRX100M7
レンズの枚数は、枚数が多いほど鮮明に映り綺麗な映像になると言われています。(一概には言えませんが)
その観点からいくと、RX100M7の方がレンズ構成が12群15枚でZV-1よりも5枚も多いため優秀と言えます。ただ、見比べてみないと分からない程度です。ZV-1も映像自体はそんなに悪いと思いません。
近くを撮影するならZV-1、遠くを撮るならRX100M7
焦点距離は35mm換算で、ZV-1が「24mm-70mm」、RX100M7が「24mm-200mm」と、かなりの差がある。
正直言うと、技術的に難しいかもしれませんが、ZV-1に20mmくらいの広角なレンズを搭載して欲しかった。動画撮影で自撮りをしたことがある人ならわかると思いますが、自分の顔を小さく見せるためには画角を広くする必要があるのです。
そうすると、RX100M7との差別化もできるかと思う。
望遠の場合は完全にRX100M7が優勢だ。なので運動会などの遠くを撮影するシーンでは間違いなくRX100M7を使うべきである。
暗所で撮影するならZV-1
ZV-1は絞り値の開放がF1.8と明るいレンズとなっている。そのためRx100M7よりも暗所の撮影に強い。また明るいレンズは「ボケやすい」ので、一眼レフとまではいかないけれど、ある程度の綺麗なボケた映像を作ることができる。
実際に暗所で撮り比べているYoutuberがいたので参考に見てみたが、暗所では間違いなくZV-1が強い。が、そんなに暗所で撮影することがあるのか?笑
マイクはZV-1の方が確かにクリア
映像に欠かせないのが音。ZV-1はVLOGCAMということで音声にも力を入れている。カメラ上部にあるマイクには風切音を防ぐため、あのモフモフ、ウインドシールドを標準で付属している。
Youtuberの方の音声を聞いてみたけれど、これも映像のきれいさと同様に、聴き比べてみないと分からないし、どちらが好みかは人によって違うと思う。
たしかにクリアになったかなぁといった感じだけど、購入するかどうかの判断材料としては優先度は低いかな。
バッテリーは同じ…ZV-1にはもう少し頑張って欲しい
ZV-1とRX100M7は同じバッテリーを搭載。実動撮影時間45分ってどうでしょうか。僕も実際にYoutubeをやろう!と撮影したことがあるのですが、そのときは何度も撮り直して2時間ぐらいかかったことがあります。
そう考えると45分のバッテリーでは少し物足りない気がします。
動画専用のVLOGCAMならばもう少しバッテリーを搭載しても良い気がします。欲を言えばUSB Type-Cを採用して充電時間を短縮して欲しい。
ただ、モバイルバッテリーで充電しながら撮影もできるとのことなので、それで問題ない方はバッテリーを気にする必要はありませんね。
僕は気になりますが!
ZV-1のVLOG専用の機能がすごい
美肌モード
ライティングや化粧で美肌に見せるようにしてきた苦労とはおさらば。
撮影時に勝手に美肌にしてくれる機能です。
スマートフォンならSNOWなどのアプリを使って映像を「盛る」ことができるが、ZV-1では簡単にそれができるのだ。
商品レビュー機能
ZV-1の商品レビュー機能は、フォーカスを人の顔から紹介アイテムへ簡単に移動することができる機能だ。今までは顔が映らないように手で隠したりする必要があり、さらにフォーカスするまでに時間がかかっていたが、この商品レビュー機能を使うことでアイテムの紹介をスムーズに撮影することができるのだ。
ワンタッチの背景ボケ機能
街中で撮影する場合は、全体をもう少し見せたいから周りにもピントを合わせておきたい。人が話すときはその人に視線を移動させたいから周りをボカす。といったことがワンタッチでできる機能です。
デジカメの設定登録でも出来そうな気がしますが、あったらあったでわりと便利そう。
まとめ
・映像美よりも、動画を手軽に撮影したい人
→ ZV-1
・写真も撮るし、動画も撮影する人
→ RX100M7
・商品レビューなどの動画を撮影している人
→ ZV-1
・価格を少しでもおさえてYouTubeをスタートしたい方
→ ZV-1もしくはiPhone11pro
・iPhoneでYouTubeを撮っていて、なんとなくカメラで撮りたい人
→ iPhoneのまま
ZV-1について
これはまさに「VLOGCAM」。これ一台で簡単にVLOGを撮影することができる。
ただ、iPhoneでVLOG撮影してたけど、もう少しクオリティをアップしたいといった方は検討が必要だ。
最近のiPhone11 Proあたりでも十分すぎる画質です。むしろ、VLOGを撮影から編集までスマホでやっていた人からすると、「データを移動する」という手間が増える。「クオリティアップ」と「手間」を考えるとそこまでの恩恵を受けないような気がする。
どうせなら一眼レフを買って、ボケ全開の映像美を追求しても良いのではとも思う。
しかし、ZV-1の「商品レビュー機能」のピントが合うスピードや正確さには正直驚いた。これはiPhoneにも無く、動画の撮影時間を大幅に短縮できる機能だ。
今まで一眼レフで撮影していた人が「撮影時間を短縮して、クオリティを落とさずに撮影したいなぁ」と思い始めたらZV-1の買い時だろう。
ZV-1に動画編集機能とYouTubeへのアップロード機能があれば文句なし!
ではでは。